ちゃんこ鍋が名物の老舗割烹が、9年前に昼の部として喫茶をスタート。意匠を凝らした和のインテリアを生かした空間は、落ち着きのある雰囲気で、ゆったりとくつろげる憩いの場に。こだわりのコーヒーとスイーツで、ひと味違うティータイムを楽しめます。
日替りで多彩な一品料理を盛り込んだ、お昼の定食970円(税込)は、主菜や小鉢などちょっとずつ色んな味が楽しめる人気のランチ。料理は、長年、支持を得てきた割烹仕込みとあって上品な味わい。お重の中には、主菜のほか、名物の蕎麦寿司に出し巻、副菜3品とご飯、味噌汁、香の物付き。すべて手作りの手間ひまかけた一品ぞろいのお値打ち感で、は、界隈の女性客から厚い支持を得ています。昼も瓶ビール650円(税込)やハイボール540円(税込)などのお酒も注文可。昼飲みも気軽に楽しめます。
店主の谷口真由美さんが吟味したコーヒーは、甲南山手のロースター「成瀬珈琲店」でオリジナルブレンドを丁寧にハンドドリップ。まろやかなコクとすっきりした香味に癒やされます。カップを折敷にのせて供するのも、和の空間に似つかわしい。また、喫茶に欠かせないスイーツにも趣向を凝らした一品が。「成瀬珈琲店」のコーヒーで作った珈琲ゼリーキャラメルアイスクリーム440円(税込)は、ほろ苦いゼリーとキャラメルの甘味が相性抜群。あっさりした後味で、ランチの後のデザートにもぴったりです。さらに、夏から10月にかけては、旬のフルーツを使った人気のかき氷も登場。銘酒「風の森」の純米吟醸酒と酒粕を使った、酒粕練乳純米吟醸酒氷やキャラメルミルクかき氷各900円(税込)・ハーフサイズ550円(税込)など、通年楽しめるメニューも。素材にこだわった大人の味わいが好評です。
約40年前にできた当時のインテリアを残した店内は、細部まで意匠を凝らした民芸調の趣。手彫りの欄間や照明など、随所に店の歴史が感じられます。年季の入った内装に、谷口さんが趣味で集めたアンティークの家具や食器が、意外な調和を見せてくれます。中央に長いカウンター席があり、お一人様でも気軽に入れる雰囲気。また店の奥には、畳敷きの小上がりの席もあり、ゆったりと過ごすこともでき、小さな子供連れのお客にもうれしいかぎりです。
昭和20年代の創業時、、湊川公園には相撲の巡業に来た力士のためにちゃんこ鍋を作り、当時の大横綱・千代の山(千代の富士の師匠の師匠)が店名を付けたという老舗。昭和47年に移転した現在の堂々たる店構えは、かつて大きな料亭や割烹がひしめいた界隈の面影を残しています。9年前に、創業者から数えて3代目に当たる谷口さんが、「お店が夜だけではもったいない」と昼に喫茶をスタート。当初は反対していた先代も、いざ始まると手を抜かないのは職人気質。昼の定食も、惣菜に洋風のアレンジを取り入れるなど日々、進化を遂げています。今や何とも和める憩いの空間は若い世代や女性客の心をつかみ、老舗の伝統は形を変えて受け継がれています。
感染防止対策のため、スタッフはマスク着用。入口には手指の消毒スプレーを設置し、お客の退転後はテーブルなどをアルコールスプレーで清掃しています。また密を避けるため、カウンターは席数を減らして、夜の営業は休止中。お昼の定食はテイクアウト1000円(税込)で販売。コーヒーのテイクアウトもOKなので、街歩きのお供に。
【DATA】
クレジットカード・電子マネー:不可
現金のみ
総席数:13席
禁煙
Instagram:@kissa_dairiki