昭和23年創業。震災後も当時の姿をそのまま残す、神戸でも現役最古参の純喫茶。 かつてハイカラ人士が集まった、高級喫茶の雰囲気を感じる、こだわりの空間で味わうコーヒーは格別です。
入口に向かって細くなる独特の空間は、船のキャビンをイメージ。手彫りの装飾を施した椅子やテーブルなど、約70年使い継がれている調度は、客船の内装を専門にした神戸の「船舶装備」が特別に手掛けたもの。阪神・淡路大震災の時も奇跡的に被災を免れた、レトロな雰囲気の店内にいると、まるでタイムスリップしたような感覚になります。
開店当初、他店の倍の価格だったという、5種の豆をブレンドしたコーヒー350円(税込)もまた、調度に劣らぬ贅沢な味わい。粗引きのネルドリップで抽出を3回繰り返す独自の手法で、豆の複雑な旨味とコクを引き出します。「僕らはこのコーヒーで育ったし、味を落としたらあかん」とは2代目マスターの堺井太郎さん。今や現役で使っている店は数少ない、「コーヒーアーン」と呼ばれる器具を使い、お客の回転に合わせて抽出の頃合いを計っています。コーヒーは+200円(税込)でお替りもOKです。
純喫茶だけにメニューはドリンクが中心ですが、軽食のサンドイッチも人気。玉子、ハム、野菜を挟んだボリュームたっぷりのミックスサンド550円(税込)をはじめ、4種類のサンドイッチはハーフサイズやミニサイズもあり、お腹の具合に合わせて選べるのがうれしい。また、7:00から12:00までのモーニングも7種類と豊富。ハーフミックスサンドセット550円(税込)やミニサンドセット350円(税込)など、すべてコーヒー付きで楽しめます。
座席はすべて4人掛けのテーブル席で、ゆったりくつろげます。他にない優雅な空間は、ティータイムを特別なひと時に変えてくれます。映画や演劇を見た後に、また食事の後に、お出かけの余韻を楽しめる空間です。また、映画のセットのような空間は、女優気分で写真が撮れるとあって女性客に好評。インスタ映えもばっちりです。
創業当時、チョーカーにジーンズという出立ちでお客を迎えた、ハイカラな初代マスターは、界隈随一と呼ばれた洒落者でした。店内の壁に、当時の姿を写した貴重な写真が飾られています。サービスにもこだわりがあり、来店客にはコロンを振ったおしぼりにタバコを1本添えて出していたそう。また絵心にも長けた初代マスターの洒脱な感覚は、インテリアだけでなく、自作のロゴやオリジナルのマッチラベルなど、店の隅々にまで行き渡っています。話好きな2代目マスターの新開地の昔の話を通じて、街の歴史にも触れるのも楽しみの一つです。
ホールスタッフはマスク着用。席に着いた来店客には、手に消毒スプレーを噴霧してくれます。入口扉を開放しての換気、スタッフのマスク着用など、感染症対策を実施。またサンドイッチなど軽食メニューは、テイクアウト可能。
【DATA】
クレジットカード・電子マネー:不可
現金のみ
総席数:24席
喫煙可