新開地駅3番出口から湊川公園に向かって徒歩約3分。「うどん・そば」と書かれた大きな青い暖簾がかかっているお店が、立ち喰い うどん・そば ふく井です。阪神・淡路大震災の翌年に開店し、今年で24年。常連客に支えられ、変わらぬ味を守っています。
こちらで味わえるのは、かけ200円(税込)、きつね250円(税込)、天ぷら280円(税込)ほか、リーズナブルな価格で提供する全17種類のうどんとそば。さらに、だしを使った和風カレー丼350円(税込)や、おいなり、おにぎり各1個50円(税込)~など、ごはんものも用意されています。また、4~10月にはざるそば・うどん300円(税込)に加えて、冷やしきつねうどん、たぬきそば各350円(税抜)も登場。暑い夏に冷んやりのど越しよく食べられると好評です。
こちらのおすすめは、すじ天うどん450円(税込)。和牛のすじを長時間かけてトロトロに煮込み、そこからさらに1時間、甘辛く炊きあげ、丸い天ぷらの上にトッピングしたひと品です。味わうと、しっかりと旨味が乗った自家製のかつお昆布だしと、甘辛く脂がまろやかなぼっかけ、ホロホロと溶ける天ぷらの三重奏がなんとも滋味深いおいしさ。やわらかな平打ち麺の風味を引き立ててくれます。神戸らしい「ぼっかけ」ではなく、「すじ」と呼んでいるのは、一般的には入っているこんにゃくが入っていないからなのだそう。
う1点おすすめなのが、かけうどん200円(税込)とカレー丼ミニ250円(税込)の合わせ技。天かすとネギのみと、ごくシンプルなかけうどんに、だしの旨味が感じられる辛めのカレーが絶妙にマッチします。お互いに引き立て合い、おなかもしっかり満たされるとファンの多い名コンビ。カレー丼は、以前は春~秋限定でしたが、このコンビを愛するお客様の要望により、この夏からオールシーズン味わえるようになったのだとか。
L字の木製カウンターが明るい雰囲気をもたらす店内は、自家製だしがふんわり香る心地いい空間。お客様は男性が多いそうですが、最近は女性客も増え、週末にはカウンターの下の荷物入れ部分に器を置いてかわいく立ち喰いする、お子さんの姿も見られるのだとか。
お店が開店したのは阪神淡路大震災の翌年、1996年。自宅の一階で営んでいた靴店が倒壊し、建て直しの際に「しばらくは物が売れないだろう。食べるものなら売れるかも知れない」と、専業主婦だったおかみさんが37歳の時、全くの素人から始められたそう。最初は、麺屋さんにだしの取り方から教えてもらい、接客は、経験豊富なパートさんが先生。メニューも、お客様の要望や指導により、少しずつ増えたり改良されていったのだとか。「本当に皆様に助けてもらって、ここまでこれました」とおかみさんはニッコリ微笑みます。
店内には感染症対策として、手指用のアルコールジェルを置かれており、入り口には手洗い場も。スタッフはマスクを着用し、ハイターでの拭き掃除もこまめに行われています。
【DATA】
クレジットカード・電子マネー:不可
現金のみ
総席数:スタンディング8人
禁煙