お好み焼き店でありながら、メニューには粉もんや鉄板焼きだけでなく和洋を問わない一品料理が充実。和食出身のマスターが繰り出すバラエティに富んだ皿の数々に、思わず目移りしてしまうこと必至の一軒です。
100は軽く超える幅広いメニューは、メインのお好み焼きやそば・うどん焼きだけでも40種以上。お好み焼きの生地は、丹波産つくね芋とダシを効かせて、ソースは地元神戸の「バラソース」のブレンドを使用。すじこん玉600円(税込)や油カス玉780円(税込)、大貝玉850円(税込)といった神戸らしい定番に加えて、お客さんの要望から生まれた名物が、オム玉700円(税込)です。香ばしく焼き上げた豚玉の上に大胆に半熟オムレツをのせた姿は、まだ完成の一歩手前。包丁を入れると鮮やかな黄色がトロリと広がり、客席からは歓声が!和ダシが利いた生地の風味とソースの香りを、玉子の甘みが優しく包み込むユニークな一品は、まさに“魅せる”お好み焼き。中身をそば焼に変えた、オムそば750円(税込)も人気です。
一品料理にはとん平焼580円(税込)や鶏チーズ焼680円(税込)など、目の前の鉄板で焼き上げるメニューのほか、造りに焼鳥、天ぷらなど、日替りの黒板メニューだけで粉もんの数を遥かに上回る50種類以上がズラリと並びます。実は、店主・紀伊利哉さんは、以前は日本料理で腕を磨いた経験の持ち主。「季節の美味しいものを食べていただきたい」と、例えば、牡蠣は冷凍ものを使わず、和牛ハネシタカルビやミスジなどの高級食材まで素材を吟味。年中楽しめる大貝バター焼き980円(税込)など、店内の生簀からさばきたての活きの良さ。贅沢な一品を気軽に楽しめるのはここならでは。
今年5月からは、「コロナの影響を受けた街を元気にしたい」と、新たにランチ営業もスタート。自家製カレーライス600円(税込)のほか、お好み焼きや焼きそばのプレート、ローストンカツ、煮込みハンバーグなど7種の定食は800円(税込)で提供する。中でも人気のハラミステーキは、目の前で焼き上げるハラミ100gに加えて、鶏唐揚げやサーモンソテー、茄子田楽、夜の定番・厚揚げの小鉢など、手間ひまかけた多彩な副菜を添えて。お替り自由のご飯、味噌汁付きで、質量ともに満足度大!です。
料理を一手に引き受ける店主の紀伊さんは、有馬の老舗旅館や割烹などで修業。「和食だと敷居が高いけど、お好み焼きなら気兼ねないので」と、地元新開地で開店して約20年になります。随所に一ひねり加えたメニューは、確かな腕と素材の目利きがあってこそ。お客との日々のやりとりから、品書きは縦横無尽に増え続け、数々の名物メニューが定着。そんな紀伊さんのこだわりは、できるだけこだわりを持たないこと。震災後、スーパーで惣菜を作っていた時期に、「プロよりもおばちゃんが作った味が求められたのを見て、能書きのある料理が旨い訳ではないと気づいた」と紀伊さん。以来、できるだけこだわりを持たず、お客が旨いと思うことを一番に、懐深いメニューは今も進化を続けています。
感染防止対策のため、ウイルス除菌機能付きのエアコンを導入。入口には手指の消毒スプレーを設置しています。また、お好み焼きや焼きそば、ランチメニューはすべて箱代+50円でテイクアウトも可能。
【DATA】
クレジットカード・電子マネー:不可
現金のみ
総席数:11席
禁煙