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ナカムラヨシエ
新開地アートひろば(旧神戸アートビレッジセンター)は、市民のみなさんが、演劇、ダンス、美術、映像、音楽など幅広いジャンルの公演やイベントを観たりワークショップなどに参加したり、練習の場所として手軽に借りたりできる場所です。 では、どのように使えて、どのような公演やイベントがあるのか、新開地まちづくりNPOがスタッフの方に詳しくお話を伺いました。 (令和6年10月現在)
新開地アートひろば(旧神戸アートビレッジセンター)は、平成8年(1996年)にオープンした神戸市立の複合文化施設です。これまで演劇・ダンス・美術・映像・音楽などの分野で新しい試みにチャレンジする若手アーティストの育成に力を入れてきました。
そして令和5年(2023年)4月にリニューアルをして、特に子育て世代や若者をはじめ、多様な世代が日常的に利用できる新たな機能を新設、市民が気軽に訪れアートに親しむきっかけとなるような場所をめざしています。
新開地音楽祭の会場の一つでもあり、街とコラボして新開地を活気ある街にしていこうというさまざまなアートイベントにも取り組んでいます。
入館するのに費用は必要ありませんし、1階のコミュニティスペースやカフェキッチン、無料の展示・催しは自由に見ることができます。
また、1階の親子むけスペース(てててパーク)は登録して利用、公演などのイベントはそれぞれの主催団体が定めた入場料などを支払って鑑賞することができます。
阪神・阪急・山陽・神鉄の新開地駅から徒歩4分、JR神戸駅から徒歩7分の便利な場所にあります。
では、一つひとつの施設をご紹介します。
てててパークは主に小学生までの子どもとその保護者を対象とした親子向けのフリースペースです。スペース内はゴム素材の床面で、絵本コーナーやおもちゃコーナー、授乳室が設置されています。おもちゃコーナーでは、有馬玩具博物館の監修で揃えたおもちゃで親子が一緒に自由に遊ぶことができます。予約は受付にあるQRコードを読み込むだけなので、簡単に利用できます。また、屋内施設のため、雨の日のお出かけにも最適です。
月に1回、アートひろばのスタッフと親子で楽しめる多彩なイベント「つきイチ」も開催されており、9月には大きな紙にみんなで絵を描くイベントが行われました。ぜひ、ホームページでチェックしてみましょう。
https://s-ah.jp/rental/facilities/tetete-park/
<開放時間>
AM10:00~12:30
PM13:30~17:00
2階にあるホールは客席数が200席の劇場で、どの席からも舞台が見やすく、舞台も客席も可動式で設営できるので、演劇やダンスの発表会の利用が多いです。
舞台、照明、音響などの設備も充実、LED照明でフルカラー演出もできます。
たとえば学生が劇団を旗揚げさせて公演を打ちたいが文化ホールは大きすぎる、という方が利用しやすいような場所です。
演劇では舞台の設営から公演本番まで数日間借りたり、ダンスでは一日で設営してリハーサル、本番といった感じで利用されたりしています。音楽での利用は、バンド機材などはレンタルしていないので別に用意が必要となり、また音楽ホールのような残響音までは必要がない音楽ライブやカラオケ等の歌の発表会にも使われます。
詳しくはこちらから
https://s-ah.jp/rental/facilities/hall/
4階のリハーサル室では、ダンスやフラダンス、太極拳、カポエラはじめ体を動かすジャンルの、主に練習のためのスタジオとして老若男女問わずとても幅広く利用されています。平日の午前中はシニア世代が、夕方からは若い世代がジャズやヒップホップのダンスなど、サークルやクラブ、個人の集まりなど様々な使用のされ方をしています。
毎週使う方、定期的に使う方、普段はどちらかで練習しているけども公演前の最後の仕上げの練習をここでされる方、ダンスのコンテストに出るための練習や、演劇の公演3カ月前からの練習をここでというようなスポット的利用など様々です。
定員60名の部屋(120㎡)と定員90名の部屋(189㎡)の2室あり、床面はフローリングで上足での利用、全面鏡張りになっており、レッスンバーも設置しているので自分の体の動きをチェックできるなど、使い勝手のいい部屋です。
他の貸室も同じですが、公共施設なので安く借りることができ、駅から近くて集まりやすい場所にあることも利点です。
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https://s-ah.jp/rental/facilities/rehearsal/
地下1階の音楽スタジオは、ドラムセットがあるなど(スタジオ2のみ)バンドでの練習がしやすい部屋になっています。高校生のバンドブーム、オヤジバンドのブームなど、その時代のブームを反映して様々な方に利用されてきたそうです。
プロの方からアマチュアまで、金管楽器やクラシック音楽などのパート練習で使われることが多いとのこと。クラシック音楽では一同に集まって練習できる場所はないので、15名程度のパートでの練習場所としては貴重です。
和太鼓の練習場所が少ないということで重宝されます。パーカッションではアフリカンドラムなどのタイプの楽器を使うような練習もできる場所です。
詳しくはこちらから
https://s-ah.jp/rental/facilities/studio/
3階にあるシルクスクリーンの設備が整った工房は全国的にも公共施設ではめずらしく、月に10日ほどある一般開放日は予約して使える場所として貴重なので全国各地からも来られます。
シルクスクリーンとは、版を作って印刷したいものの上に密着させ上からインクを押し出して印刷する方法です。表現方法としては幅広く、Tシャツにプリントするといった利用が一般的にみられます。
作品を制作するのはプロのアーティストだけでなく、自分で描いた画案を手刷りできるので一般の方もチームのコスチュームをつくったり、エコバッグやお子さんの描いた絵をプリントしたり、シルクスクリーンで作った手作りのものをマルシェで販売したいという方も利用されるそう。
初めての方にはスタッフが管理者として付き添って対応してもらえます。
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https://s-ah.jp/rental/facilities/atelier/
3階にあるミーティングやワークショップ、教室利用などに適した会議室は、懇親会などの飲食を伴うイベントにも幅広くご利用いただくことができます。
詳しくはこちらから
https://s-ah.jp/rental/facilities/meeting/
地下1階には、可動扉や可動壁を使った自由な空間レイアウトが可能なギャラリーがあります。1日4,500円というリーズナブルな価格で借りることができ、個人でも負担が少なく、発表の場を持つことができます。個展だけでなく、グループ展での利用も多く、写真同好会や高校生の卒業発表展、絵画や映像作品など、幅広い用途に利用されています。設営や片付けを含めて数日間レンタルする方も多く、余裕を持って準備や展示ができます。
もともと映像が鑑賞できるシアターだったことから遮音性があるため、作品を集中して鑑賞することができます。入口と出口を分けて動線をつくることができるので、ちょっとした美術館のような設えができます。
詳しくはこちらから
https://s-ah.jp/rental/facilities/gallery/
1roomと呼ばれるスぺ―スは、子どもたちや学生が勉強したり、年配の方が憩いの場として利用したり、地域の交流の場として喜ばれています。全国の文化施設や美術館のチラシやパンフレット、フリーペーパーなどが集まる情報コーナーもありますよ。
昨年春の開館時には、オープニングイベントとして毎月のようにアートイベントが開催されていました。現在も3ヵ月に1度のペースで開催しています。
イベントの特徴は、「ニューあそび場の創造」として、様々なジャンルのアーティストが遊べる作品や空間を創り幅広い層が楽しめる企画を開催しています。会場は施設内にとどまらず新開地のまちの歴史や空間も活用していきます。
たとえば段ボールで原寸大の地下道を精巧に再現するアート・パフォーマンスには館史上一番多い入場者があったそう。
また、夏休みの時期には「新開地おばけひろば」が開催されました。おばけをテーマに、大きな窓ガラスに絵を描いたり、落語を楽しんだり、カツラを作ったりと、子どもから大人まで楽しみながらアートにふれあえるイベントが行われました。秋にもイベントが開催予定ですので、お楽しみに!
1階奥には「はっちゃんの台所」があります。新開地出身の店主が日替わりで常時20種類ほどの手作り惣菜を提供する、言わば新開地のおばんざいやさん。
ボリュームたっぷりで栄養バランスも考えられたメニューは、幅広い客層に好評です。店主自ら考案したレシピは、栄養のバランスにこだわり、野菜をたっぷり使っている点が特徴です。
店内でゆっくり食事を楽しむこともできますし、テイクアウトも可能です。店内では水やお茶をセルフサービスで自由にいただけます。
手作り惣菜を使った多彩なメニューが楽しめます。特に人気の「おかず9品ランチ(680円)」は、お手頃な価格で、バランスの良い食事を楽しむことができます。また、パックいっぱいに詰めてくれる「おかずパック(280円~680円)」もテイクアウトができるので人気です。
他にも、「ポテトフライ(230円)」「ポップコーン(200円)」などの軽食メニューや、「ホットコーヒー(230円)」「アイスカフェオレ(300円)」などのドリンクも取り揃えています。
席数は約10席あり、ゆったりとくつろげる空間です。
食事だけでなくコーヒーも提供されているため、カフェとしての利用も可能です。
さらに、18時以降はアルコールも提供しており、おばんざいをおつまみにしてお酒を楽しむお客様も多いそうです。
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