新開地本通商店街にあって、昔ながらの対面販売のスタイルで親しまれる老舗ベーカリー。ショーケースには、懐かしい味わいのパンがずらりと並び、焼きたての香りに誘われて、つい立ち寄ってしまう一軒です。
毎日、40~50種が並ぶというバラエティ豊かなパンの中でも、一番の人気者が三色パン170円(税込)。コロンと愛らしい姿は、初めて店頭にお目見えした昭和30年代からそのまま。今でも1日に40~50個は出るというロングセラーです。3つに別れた生地の中にはそれぞれ、まろやかな自家製カスタードクリーム、しっとり上品な甘みのこし餡、イチゴジャムを包んで。「何から出てくるか?」は毎回のお楽しみ。1個で3度おいしい欲張りなパンは、同じ形のバリエーションでカレー、シチュー、ポテトサラダの3つのフィリングを包んだ、おかず3色210円(税込)もあります。
3色パンと共に、長年親しまれる定番が、「フライ」と称される揚げパンです。コクのあるルウが詰まったカレーフライ、ポテトサラダ入りのあっさりしたサラダフライ、おやつにぴったりのあんフライ各170円(税込)の3種に、生地をひねったドーナツ・ツイスト140円(税込)もあります。サクッと揚がった生地の香ばしい風味ともっちりとした食感、フィリングもたっぷりでボリューム感も十分。 食事にも、おやつにも重宝な一品です。
他にも、特食1斤270円(税込)、山食1斤250円(税込)の2種ある食パンは、小麦粉をたっぷり使ったリッチで濃厚な風味が好評。自家培養した米麹を発酵に使うなど、試行錯誤を重ねて独特の風味を引き出したオリジナルだ。サンライズやあんパン、ジャムパン、クリームパンなどの定番のパンは、レトロなパッケージデザインも目を引きます。さらには、ハムカツや玉子、焼きそばなど、ホットドッグタイプのサンドイッチや、カスクートといった総菜パンも豊富にそろいます。
昭和22~3年頃に創業して70年以上、当時から変わらない対面販売のスタイルの小さなお店の奥では、手作りで生地を練る職人さんの仕事が垣間見えることも。分銅量りや木製の番重といった道具も年季を感じさせます。「パンは生き物。暑い、寒いでも変わります。やはりいつも同じ味を作るのが職人の仕事」とは、3代目店主の山口さん。創業以来の製法を継ぐ食パンにフライ系、菓子パンに加え、新たな材料が出るたびに、少しずつ独自の発想を形にしてきました。界隈で親しまれる老舗の味は、丁寧な仕事と新味の追求、そしてパンへの愛着の賜物です。
感染防止対策としてスタッフはマスク着用し、消毒スプレーを設置しています。
【DATA】
クレジットカード:不可
電子マネー:ペイペイ
禁煙