新開地で新築や改修の設計を行う上で、ぜひ参考にしてください。
(1) 一つ一つの建物や店舗が存在感を発揮して、それらがまちに広がっていく。
(2) とってつけた表面的、装飾的なデザインではなく、設計者として新開地のまちづくりをご理解いただき、まちとの関わりやデザインに対する考え方をもっていただく。
(3) 新開地のもつ情緒や親しみやすさ、人のふれあい、本物志向といったまちの雰囲気や特性をデザインに活かしていただく。
(4)「 アートビレッジ構想」とは、かつて神戸の文化芸能の拠点であった新開地を、現代的に活かしていこうという考え方です。アーティスト・芸人、市民が活動する場所にふさわしいまちづくりをめざしています。
(1) 新開地のもつ、かいわい性、路地、横丁、坂、階段といったヒューマンスケールな要素を、デザインの中にとりいれていただく。
(2) まちづくり構想で提案している拠点やゾーンのねらいと相乗効果を発揮する空間づくりを行っていただく。
(3) 隣り合う建物、施設、店舗のデザインが互いに共鳴しあい、付近一帯の街区景観の連続性やリズム感、独自性が生まれるようにしていただく。
(4) 周辺のまちなみデザインとのつながりを大切にしつつ、独自の、新しい主張を打ち出していただく。
(5) 広告、看板、テント、サイン、ガーデニング、ストリートファニチュア、灯かりといった細かな景観の要素にも、しっかりとデザインをとり入れていただく。
(6) デザイン感覚は、ポップ、カジュアルで、デザイン性の高さを追求していただく。
(7) 1~2階や3~4階の中層階は商店街や街路に面するにぎわいに配慮し、高層階、最上階は遠くからのランドマーク性を意識するような、立体的にデザインの構成を設定して多彩な表情を創り出していただく。
新開地まちなみデザイン委員会 委員長 森崎輝行(建築家)
平成4年に地元、行政、専門家が力を合わせ、新開地を活力に満ちたまちに育てるべく、デザイン検討委員会が立ち上げられました。この委員会では、事業者や設計者と話合いを行い、建築やランドスケープのデザインを決めていきます。検討の中心は、個々の建物や店舗、公共空間が新開地の歴史やまちづくりに沿ってデザインされ、全体が調和しまちが魅力的になっているかどうかに置かれています。
「新開地まちづくり調査2011」より
新開地では下記の構想に基づいてまちづくりを推進しています。
「B面の神戸・新開地」 ~身近で、気軽に、愛されるまち~
地域の方や、よそから来た方が、「また行きたい」と感じるお店や魅力を、
今の新開地に加えて増やしていきます。
まちの環境も、ホッとするような独特の雰囲気を大切にしながら、
今以上に安心で、また案内サインも充実するなど、きめ細かな改善を行います。
新開地らしさを感じる「レトロ、老舗飲食店、芸能」などの定番の魅力に、誰もが日常的に気軽に利用できるお店や施設など新しい魅力を加え、相乗効果をめざします。
新開地音楽祭などを通じて、新開地のまちを体験した市民が、また繰り返し訪れたいと思える要素や機会を生み出して、まちのファンとして定着をはかります。
ハード整備は、まちの居心地や移動のしやすさを高めたり、公共空間の利活用などソフトな事業がし易くなるような装置をつけ加えるといった視点で、充実していきます。
「B面の神戸です。」
新開地は、1905年にまちが誕生して100年を数えます。かつては神戸の中心として栄えましたが、急激な衰退にともなって環境が悪化し、流行から取り残されて、人々の足が遠のきました。しかし、そんな新開地に、流行廃りとは無縁な、人々の営みが息づいています。それは、まるでレコードのB面のように、心にしみる魅力を放ちます。国際観光都市の三宮や旧居留地、北野が「A面」ならば、新開地はまさに「B面の神戸」であり、そんなまちが今、求められているのではないでしょうか。30年にわたるまちづくりで、環境が改善されさらに磨きをかけながら、新開地の魅力をアピールし、新しいアイデンティティを築いていこうという思いをこめた、キャッチフレーズです。