『ザ・シンカイチツアー』が産経新聞に掲載されました!!
以下が掲載内容です。
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(産経新聞 朝刊 2015.2.15付)
新開地の魅力見っけ♡
レトロな雰囲気「のめり込みそう」
~神戸 女性ツアー人気~
20以上も映画館や劇場がひしめき、かつて「東の浅草、西の新開地」と並び称されるほど繁栄した神戸・新開地地区(神戸市兵庫区)。衰退した新開地の復権を女性に託そうという、限定イベント「ザ・シンカイイツアー」が想像以上の人気を集めている。レトロな洋食屋、居酒屋を堪能する月1回のツアーは、いまや予約開始から5分で定員10人が埋まることも。主催者は「『おじさんの街』というイメージを払拭したい」としている。
老舗の味たっぷり
48~88歳の女性10人が参加した2月4日のツアー。昭和6年創業の居酒屋「高田屋京店」、国内最大規模の大衆演劇劇場「新開地劇場」、老舗洋食店「グリル一平」…。レトロな店や劇場など5カ所を、7時間半かけてゆっくり巡った。
店で自慢の料理を味わい、店主のこだわりを聞く。劇場では役者と記念写真を撮る。バスガイド姿で案内役を務める西島陽子さん(41)は、ツアーを企画するNPO法人「新開地まちづくりNPO」のディレクターだ。
店から店へ巡る途中にも、ちいさの路地の名前の由来などの歴史を教えたり、ツアーコースから外れている、100年以上続く老舗の焼き鳥店のことにも触れるなど、参加者もすっかり“新開地通”に。
ツアーで初めて新開地を訪れたという兵庫県三田市の主婦、山本良乃さん(63)も「女性1人で訪れるには危ない街だと思っていたが、来てみると街に活気があって、のめり込みそう」と笑顔で話した。
活気取り戻したい
新開地が最盛期を観変えていたのは昭和20年代の話。30年代になると、神戸の中心は三宮地区(同市中央区)に移った。映画産業が衰退したこともあり、活気は失われていった。
さらに、平成7年の阪神大震災で同地区の約7割の建物が全半壊。立ち飲み屋やパチンコ店が並び「男性の街」というイメージが強いところに、震災後、該当が少ないことなどが加わって、「女性が近づきにくい街」というイメージが定着してしまった。
一方で、同地区には老舗の洋食店や、居酒屋などが残っており、レトロな雰囲気は十分。そこに目を付けた「新開地まちづくりNPO」は、同地区の誕生100年にあたる17年7月、「新開地を女性にも愛される街にしよう」とツアーを始めた。当初は、募集しても10人の定員に満たないこともあったが、口コミで徐々に話題となり、今では電話予約の開始から5分ほどで埋まってしまうことのあるほどの人気だという。
イメージ変わった
今年7月には10年を迎えるツアー。「新開地は、知られていないだけで女性が楽しめる店が多い」と西島さんが話すように、「新開地のイメージが変わった」「また新開地に来てみたくなった」など好評で、これまで700人以上が楽しんだという。参加者の年齢層は50~60代が中心だが、20代~80代まで幅広いという。
同NPO理事長の高四代さん(67)は「ツアーに参加した人が、友達を連れて、再び新開地を訪れることもある。これからもツアーを通して女性に新開地の魅力を発信し、街を活性化していきたい」と話している。
ツアー参加費は5千円(食事代など)。問い合わせ先は新開地まちづくりNPO(?078・576・1218)。
㊤老舗おでん屋の味を楽しむ「ザ・シンカイチツアー」の参加者
㊧これまでに700人以上が新開地を堪能した =神戸市兵庫区(小松大騎撮影)