"隠し味"はありません
震災で一度は絶えたが、再び注ぎ足しされて10年余。
独特の黒褐色のデミグラスソースは、「小麦粉を焦がして香ばしさを出すのがミソ」と2代目の上川雅司さん。
身の厚い淡路島産の玉ネギが飴色に艶めく名物のハイシライスは、
この濃密なコクとシャキシャキとした歯ごたえの取り合わせが身上だ。
常連が親しみを込めて呼ぶ"ハイライ"の通称は、注文を通す時の呼び名を常連がまねたのが始まりだとか。
店内は、開業した時から変わらないカウンターのみのオープンキッチン。
現在は3代目も腕を振るう伝来の味とともに、
「何も隠すことはないし、中が見えるとお客さんも安心でしょ」という気取りのない雰囲気も、
カウンター越しにハイライの名が受け継がれる理由の一つだ。