丁寧に旨み重ねた透明感
丼が運ばれると思わず見入ってしまうのが、すっきりと黄金色のスープの透明感。あっさりしながら後を引く、飽きのこない味わいを支えるのが、鶏ガラ、豚骨のみで取るダシの旨味だ。
骨に付いた肉やスジを丁寧に掃除した上で、寸胴鍋で煮込むことおよそ5時間。それでも出てくるアクを、鍋につきっきりで取り続けるのだから恐れ入る。スープとの相性を考え抜いたストレート細麺のハリのある食感、フワッととろけるワンタンの柔らかさが三位一体を成すワンタンめんは、創業以来、磨き続けた看板メニューだ。
屋台から始まり、震災も乗り越えて40余年。
澄み切ったスープの滋味がじんわりとしみわたる一杯には、長年変わらぬ丁寧な仕事が息づいている。