傾いてても仕事はまっすぐ
夕方5時の開店から、フル稼動でもうもうと煙を上げる赤銅の焼き台。
焼き手から見て、向かって右から左へ傾斜した台は、最も低い左端下にタレ壷があり、火力の強い右側から順に並べてゆく。
「タレは右にある方が合理的なんやけど、これは左利き用やから反対側やねん」と大将。
もともとこの焼き台は左利きの2代目・雪栄さんが使っていたもの。
一度はステンレス製の新しい台を作ったので引退したが、新しい台がダメになり復活した。
タレをくぐらせた焼鳥は、斜めになった銅板の上で余分なタレを落とすと、脂とともにタレ壷に戻る仕組み。
右端には錫のチロリで燗付けもできる。
連日大入りのお客の注文を捌く一台二役の働きぶりで、今日も"元租・焼鳥"の屋台骨を支えている。